性感染症

性感染症について

性感染症:STDとは、 Sexually Transmitted Diseases の頭文字をとったもので、(性により)(感染する)(病気)=性行為により感染する病気のことです。

具体的には、性的接触(キス・セックス・オーラルセックス等)によって感染します。症状が全くない人もいるので最近ではSTI(Sexually Transmitted Infections)と言われることの方が多くなってきました。セックスをする人なら誰でもかかる可能性があり、10代、20代を中心に急速な拡大を見せています。

STDに感染している人の精液、腟分泌液、血液、患部(ブツブツ、イボ、ただれなどの症状)組織などに、STDの原因となる細菌やウイルスなどがふくまれています。その細菌やウイルスなどが性行為により相手の性器、肛門、口などの粘膜や皮膚と接触することにより感染します。

「私には関係ない病気」と思っていませんか?あなたも知らないうちに感染しているかもしれない、そして知らず知らずのうちにパートナーにうつしているかもしれない。そこが怖いところなのです!

若年層で広がる性行為感染症(STD)

STD感染者数を年齢別に見ると、男性では20代前半~40代前半、女性では10代後半~30代前半が中心となります。男性より女性の方が若い年齢層に多い傾向が見られます。最近は性経験の低年齢化に伴い、STD感染も高校生の間で広がりつつあります。

ある調査では高校生で性経験者の男性は6.7%、女性は13.1% がクラミジアに感染していたという報告もあります。

今のパートナーは、あなたにとって初めてのパートナーですか?

あなたのパートナーにとって、あなたは初めてのパートナーですか?

この2つの質問が両方とも間違いなく『YES』の時は、

『私には関係ない病気』と言えますが、そうではない場合、自分とは関係ない病気ではなくなるのです。

ここでは主な性感染症についてとりあげてみますね。

クラミジア

どんな病気?

クラミジア・トラコマチスという微生物の感染によって起こる性感染症です。

ここ最近、若い世代に急増しており、セックスによって膣から子宮に感染しますが、今はオーラルセックスでも感染し、喉の病気を引き起こす例も増えてきています。急増の原因としては、自覚症状がない場合も多いため、知らないうち感染して、知らないうちに相手にもうつし、またパートナーが変われば・・・とどんどん感染が拡がっていきます。

検査をして初めて気がつくということも少なくありません。放置しておくと、不妊症の原因となることもあるので、自分は感染していないか定期的にチェックして、感染していたら治療しましょう。この時にはあなただけではなく、パートナーも一緒に治療しなければ、元の黙阿弥です。2人で治療して、必ず治ったかどうかを確認しましょう。

札幌は非常にクラミジア感染率が高く、全国平均の3倍!という数字も出ているのです。

どんな症状になるの?

70%以上の方は無症状で、気づかないことも多いですが、

  • おりものが黄色っぽくなった
  • 水っぽいおりものが多く出る
  • 生理でもないのにおなかが痛い

このような症状が出た場合は、クラミジアかも知れません。早めに受診しましょう。

また、パートナーがクラミジアと診断されたときは、必ず婦人科を受診し、パートナーと同時に治療しましょう。

どんな検査をするの?

内診台に上がっていただき、子宮の入り口からオリモノをとって(綿棒で拭うだけです)検査をします。この検査は痛みもなく、すぐに終わります。結果が出るまで約1週間かかります。

クラミジア(+)だった!どんな治療をするの?

殆どは抗生物質(ジスロマック)の内服で治ります。

内服後数日で治りますが、必ず服用後2週間以降で再検査をして、治っているかどうかを確認しましょう。

☆自分だけが治療をしても、パートナーの方が治療しないと再感染してしまうので(ピンポン感染)、必ずパートナーも同時に治療をしましょう。

淋病

どんな病気?

この病気は、淋菌を病原菌とする性感染症です。淋菌は尿道や子宮頚管の粘膜を好み、セックスによって膣内の粘膜に感染します。

最近ではオーラルセックスによって女性の喉から淋菌が検出されるケースが増えてきています。
また、難治性の淋病も出てきています。要注意です。

どんな症状になるの?

感染後2日~7日間の潜伏期間後に症状が出てきます。感染後、黄色いおりものが出て、排尿時に痛みを伴ったり、尿道の出口が赤くなったりします(クラミジア感染と似ていますが、症状は淋菌の方が強いです。クラミジアと淋病の両方同時にかかることもあります)。

女性の場合は症状が軽い為、感染した事に気づかず放置しておくと、淋菌性膣炎・子宮内膜炎・卵管炎の発病を招き、激しい下腹部痛や発熱を引き起こすことになります。

パートナーに自覚症状(ペニスからのうみ・排尿時の痛み等)が出やすいので、パートナーの健康状態に注意してください。おりものに異変を感じたら、又はパートナーに自覚症状(ペニスからのうみ・排尿時の痛み等)が出たら病院へ行くことをおすすめします。

どんな検査をするの?

クラミジア同様、内診台に上がっていただき、子宮の入り口からオリモノをとって(綿棒で拭うだけです)検査をします。この検査は痛みもなく、すぐに終わります。結果が出るまで約1週間かかります。

淋菌(+)だった!どんな治療をするの?

抗生物質(ロセフィン)の点滴を1回します。抗生物質に耐性を持っている淋菌もいますので、必ず2週間後以降に再検査をして、治ったかどうかの確認をしましょう。

☆自分だけが治療してもパートナーの方が治療しないと、再感染してしまうので(ピンポン感染)、必ずパートナーも治療しましょう。

尖圭コンジローマ

どんな病気?

主にHPV(ヒトパピローマウイルス)6型・11型の感染による性感染症です。

女性であれば大陰唇・小陰唇・膣口・膣内・会陰部、肛門周囲、男性であれば陰茎・亀頭・陰のう、肛門周囲に多く、性交時に性器がふれたりすれたりする場所に『イボ』ができます。ほとんどは痛くもかゆくもありませんが、大きさや発生部位によって痛みやかゆみを感じることもあります。

米粒・小豆粒くらいの大きさで、にわとりの鶏冠のように尖っているのが特徴で、放っておくとどんどん増えていくことがあります。良性なので、ガンにはなりませんが、再発率も高いです。もし、イボ状のものがあったらすぐに病院に行きましょう。

どんな検査をするの?

肉眼的に判断し、疑わしい場合は組織検査で診断する場合もあります。

どんな治療をするの?

初期で小さく、外陰部だけに存在している場合であれば、イミキモドクリーム(ベセルナクリーム)を塗布します。

(詳しい使用方法はコチラ)

範囲が広く、イボが膣内にもあれば、液体窒素での凍結療法、レーザー治療です。

※コンジローマの殆どの原因ウイルスであるHPV6型・11型は、HPVワクチン『ガーダシル』で予防することが可能です。

性器ヘルペス

どんな病気?

単純ヘルペス・ウィルスの感染による性行為感染症です。外性器に小さな水疱(水ぶくれ)ができ、それが破れると潰瘍が多発し、それが2~3週間ほど続いた後になくなります。初発感染の場合、潰瘍は左右対称にできることが多いです。

無症候の感染もあるので、局所にはっきりした病変が無い時でも性器からウイルスを排出してしまい、パートナーに感染する可能性があります。再発を繰り返すことが多く、女性の場合は生理の経血やナプキンの刺激によっても再燃することがあり、年に何度も治療が必要になることもあります。

どんな症状?

初感染の場合、感染後2日~10日間の潜伏期間のあとに、外性器に水疱(水ぶくれ)や口内炎のような浅い潰瘍ができ、痛み・発熱の症状が出てきます。ひどくなると、排尿時に激しい痛みを伴い、排尿が出来なくなることもあります。

また、太腿の付け根のリンパ節が腫れたり、高熱が出ることもあります。外陰部に痛みのある水ぶくれが出来たら、早めに受診しましょう。

再発の場合は、再発前に外陰部の違和感(むずむずした感じやかゆみなど)や大腿~下肢の痛みなど、前兆(前ぶれ)が出ることもあります。初感染と比べ、潰瘍や水疱の数は少なく、症状も軽いことが多いです。再発の頻度は、月に2~3回から、年に1~2回とバラつきがあります。

外陰部に潰瘍や水疱が出来たときはもちろん、ただれや痛みがある時も早めに受診されることをおすすめします。

どんな検査をするのか?

原則、肉眼的に診断します。水ぶくれの段階であれば、ウイルス抗原を調べる検査で確定診断ができます。ほかの疾患との鑑別がつかない場合は血液検査をすることもあります。

どんな治療をするの?

抗ウイルス剤の点滴(ゾビラックス)や内服(バルトレックス/ゾビラックス)で治療します。1週間ほどで症状は軽快していくことが多いです。再発が多い方には、再発抑制療法という方法もあります。

梅毒

どんな病気?

過去の病気と考えられていましたが、2011年から流行が加速し、2015年も”過去最悪のペース“で増え続けています。スピロヘータの一種である梅毒トレポネーマという病原菌によって感染します。

あらゆる性行為(セックス、アナルセックス、オーラルセックス)で感染します。皮膚や粘膜の小さな傷から病原菌が侵入し、血液中に入って全身に広がります。

アナルセックスでの感染が特に多いと言われています。口に梅毒の病変部分がある場合は、キスでも感染します。

自覚症状が無く、潜伏期間が長いため、知らないうちに多くの人に感染させてしまう可能性があります。又、感染したまま妊娠すると胎児に感染し、先天梅毒児となります。(現在は妊婦検診が行われているため、ほとんどありません。)

この病気は早めに治療すれば完治しますが、放っておくと脳の神経がおかされることもあります。

どんな症状?

第1期感染~3ヶ月:2~3週間の潜伏期間後、外陰部に大豆~そら豆大の硬いしこりができます。そけい部のリンパ腺も腫れますが、この時期に痛みはありません。 これらの症状は一度、自然に消えますが治ったのではありません。
第2期感染後3ヶ月~2・3年くらい:この時期は、全身に菌が広がる時期で、感染力が最も強い時期です。 梅毒疹というバラ色の発疹が全身にできます。完治しないでいるとこの状態が2~3年続きます。又、頭痛・発熱・間接痛・倦怠感などの症状が出ることもあります。
第3期感染後2・3年~10年くらい:骨・筋肉・内臓などに硬いしこりができます。
第4期感染後10年以上経過:心臓・血管・神経までおかされる状態で、死に至ることもあります。進行性の麻痺・梅毒性の動脈炎・脊髄の痛み・認知症・失禁等の症状が出てきます。

 

病院にはどのタイミングで行けばいいのか?

外陰部に大豆~そら豆大の硬いしこりを見つけたら、すぐに病院へ行きましょう

どんな検査をするの?

血液検査で、TPHAとRPRという項目を検査して判定します。

どんな治療をするの?

ペニシリン製剤を1カ月~3ヶ月内服します。

膣トリコモナス症

どんな病気?

トリコモナス原虫が性器内に入り込み炎症をおこします。性行為による感染が主ですが、下着、タオル、便器、浴槽での感染の可能性があります。よって、性行為の経験のない女性や幼児にも感染することがあります。

どんな症状?

男性にはほとんど症状が出ませんが、尿道炎の症状が出る場合もあります。女性の場合は、腟だけでなく、子宮頸管(子宮入口の管)膀胱、尿道へも感染します。

主な症状として、あわ状の悪臭の強いおりものの増加・外陰部や腟の強いかゆみや痛みなどがあります。

ただし、症状のない感染者が20~50%とも言われており、治療せずに放っておくと炎症が卵管まですすみ、卵管炎などの骨盤内感染をまねく可能性もあります。オリモノが変だな、と思ったら受診しましょう。

どんな検査をするの?

オリモノを顕微鏡でみてトリコモナス原虫を肉眼的に確認し診断します。ほか、オリモノを綿棒で採取して検査に提出する方法もありますが、この場合1週間ほどで結果が出ます。

どんな治療をするの?

内服や膣錠を1週間~10日間使用します。女性の場合は、膣外(尿道など)にいることも多いため内服治療をすることが多いです。しかし、なかなか治りにくい場合には膣錠も併用して治療します。

男性の場合は内服治療のみとなります。

☆自分だけが治療してもパートナーの方が治療しないと、再感染してしまうので(ピンポン感染)、必ずパートナーも治療しましょう。

HIV感染症/AIDS

「HIV」は正式にはヒト免疫不全ウイルスといい、通称エイズウイルスといわれています。

HIVはヒトに感染すると、免疫力を低下させてしまうウイルスで、近年クラミジアなどの他の感染症との混合感染も徐々に増えつつあります。

HIVに感染し、治療せずにいると、免疫力がどんどん弱くなり、数年~10数年で健康な人であれば何ともない菌やウイルスで様々な病気になります。

その病気が「エイズ指標疾患」という病気に当てはまると、「エイズを発症した」と診断されます。
エイズはとても長い経過をたどる「HIV感染症」のある時期からの呼び名です。

初期の場合は、ほとんど症状がありません。ですから、コンドームを使用しないセックスをしていたり、「HIVって、私、大丈夫かな?」と不安に思った時には、HIV検査を受けてみてくださいね。

HIVの感染を早く知ることは、他者にHIVを感染させないためと、何よりも感染を早期に発見することで、適切な投薬を受けることができ、「エイズの発症」を遅らせることができます。

HIV感染はHIV検査をしないと見つけることができません。検査の陽性・陰性を判断する抗体が出来るのに、思い当たるセックス後、3カ月かかりますので、手遅れと思わず受診してください。

どんな検査をするの?

血液検査でわかり、費用は1,300円となります。
心当たりや気になっている方は、1人で悩まず受診してくださいね。

性感染症の予防について

性感染症の特徴といえば

  • 男女差別をしない
  • 年の差を気にしない
  • 顔で区別をしない
  • 経済力を問わない
  • 学歴不問
  • セックス経験レベルに無関係
  • 職業で選ばない
  • 性器からだけうつるのではない
  • 愛は勝たない(ティーンズ・ボディブック/扶桑社より) 

ということで、誰がなってもおかしくない病気です。

自覚症状がないことも多く、たまたま検査を勧められてしてみたら、クラミジア(+)だった!
なんていうのはよくある話で、『自分がクラミジアになっていたなんて!』とショックを受けて治療に来院される方も多いのです。

性感染症の中には、抗生物質の内服や点滴で治るものもありますが、再発するものもあり、病気をもらった彼とお別れしても、その病気とは一生付き合っていかなければならないこともあるのです。

自分が性感染症にかからないために・・・

  • 出会ったばかりの男性でも、つい雰囲気に流されてしまったことがある
  • 酔うとより流されてしまうことがある。
  • 合コンで気に入るとお持ち帰りしてしまったことがある
  • 合コンでお持ち帰られてしまったことがある
  • 彼をお別れしたはずだけれど、ついつい交際状態を続けていたりする
  • ちょっと寂しいので、誰か探してしまうことがある
  • 性行為するパートナーが複数いる

もし思い当たるところがあれば、まずは検査してみましょう。

コンドームは必ずつける

コンドームで防げない病気があるのも事実ですが、どんな時も最初から必ずコンドームをつけることでクラミジア・淋菌・HIVは予防することが可能です。

セックスだけではなく、オーラルセックスによって咽喉にクラミジア・淋菌が潜んでいることも珍しくなくなってしまいました。オーラルセックスの時にコンドームを使用する人がどのくらいいるか?

20~30代女性の9割はオーラルセックスの時にコンドームは使用していない事実があります。

また、女性がオーラルセックスをされる場合、日本では使用頻度は非常に少ないですが、歯科治療で使うデンタルダムというラテックス製の薄いシートを使う方法もあります。

  • 信用できるパートナーのみとセックスをする
  • パートナーが変わったら、知らず知らずのうちに相手に病気をうつさないように、今までの自分は大丈夫かな?と検査してみる。
  • パートナーが変わらなくても、気になる時には検査してみる。

これらのことに注意してくださいね。

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