OCとはOral Contraceptives(経口避妊薬) の略称で、低用量ピルのことです。
OCには、卵胞ホルモンと黄体ホルモン2種類の女性ホルモンが含まれています。
OCを毎日服用することによって、確実な避妊効果を得ることが出来ます。
避妊の効果はどのくらい?
OCを服用することによって
- 排卵を抑制し
- 排卵期の頚管粘液(オリモノ)を変化させ、精子が子宮の中に入りにくくなり
- 子宮内膜が厚くならないので、受精卵が着床しにくくなります。
このトリプルブロックによって、毎日正しく服用している場合には、ほぼ100%(※)あなたを妊娠から守ってくれます。
(※避妊効果に関しては、正しく服用した場合の失敗率は、0.3%と言われています)
ちなみにコンドームの避妊効果は、どんなに完璧に使っていたとしても、2〜15%は失敗する、というデータがあります。また、中絶手術を受けた女性の1/4はコンドームを使っていた!という事実を、あなたは知っていましたか?
費用は?
OCは全て1シート 2,500円(再診料込)
(エナ大通クリニックでの料金です。 初診の場合は初診料+OC1シートで6,000円ほどです。)
※1シートって?という方はコチラ
※ルナベル配合錠・ヤーズ配合錠は保険診療薬ですので、上記値段ではありません。
OCの服用方法は?
1日1錠を毎日同じような時間に服用します。
食事は関係ありませんので、自分の生活スタイルの中で1番忘れない時間にしましょう。
初めて服用する場合は、夕食後か寝る前をおすすめしています。
服用を忘れないために、
- 携帯のアラームを鳴らす
- mypillなどの無料アプリを利用する
- 洗面台などの目に付く場所に置く
注:お子さんのいらっしゃる方は、置き場所に注意が必要です。お菓子と間違って口にしてしまうことがあります
など、自分に合ったものを工夫すると良いでしょう。
副作用って?
副作用を心配される女性も多いのですが、実際のところは何もない女性の方が圧倒的に多いのです。
服用開始時のマイナートラブル
不正出血
一番多いマイナートラブルです。色のついたオリモノや、終わりかけの生理のような出血がダラダラ続くこともあります。2シート目以降はかなり減ってくるので様子をみましょう。あまり長く続く場合は相談を。
軽度の吐き気
心配な方には吐き気止めを処方します
頭痛
市販の鎮痛剤で対応していただいて問題ありません
胸の張り
倦怠感
いずれにしても、1〜2か月、長くても3カ月以内に落ち着くことが殆どです。
〜血栓症には注意が必要です〜
ごく稀ではありますが、血栓症(血管の中に血の塊が出来る病気)、脳卒中、心臓発作などが現れることがあります。ただし、血栓症には前ぶれがあることがほとんどですので、服用する方は、血栓症の初期症状とそのリスクが高まる状態について知っておきましょう。
血栓症の初期症状(前ぶれ)
- ふくらはぎの痛み、むくみ、しびれ感(ふくらはぎの症状は片側に起こることが多い)
- 鈍い胸の痛み、突然の息切れ
- 胸部の押しつぶされるような痛み
- 激しい頭痛、めまい、失神、視覚・言語障害(視野狭窄、舌のもつれなど)
血栓症の危険が高まる状態
- 長時間同一姿勢でいること
- (4時間以上のフライト、ドライブ、勉強、ゲームに熱中することなどは、ピルを服用していなくても血栓症のリスクが高まります。下肢を動かす、水分を摂る、休憩をとるなどを心掛けてください)
- アルコールを飲む場合は、お水も一緒に飲みましょう。
(アルコールの利尿作用で、飲んだ分以上の水分が排泄されることによって、脱水になりやすいです) - 手術が決まった場合は、必ず主治医にピルを服用していることを伝えて下さい。
(手術前4週間、手術後2週間は、ピルの服用はできません。) - 顕著な血圧上昇
ピルの避妊以外の効果(副効用)
ピルは女性主体で避妊ができる薬ですが、その作用を考えた時に避妊以外の効果もあります。
- 生理が規則的に28日周期となり、いつ生理が来るかが解る
- 生理を調節することも出来るので、試験や試合、旅行なども生理を外すことができる
- 生理痛は改善する
- 経血量も減るので、漏れる心配や大きなナプキン・タンポンを買う頻度が減る
- 生理前の肌荒れ・ニキビ・頭痛・情緒不安定さ・下腹痛・腰痛などが軽減
- 内膜症が改善する。また、将来の内膜症・子宮体がん・卵巣がん・その他の卵巣の病気を予防 など
将来の妊娠への影響は?
あなたが赤ちゃんを希望するその時までOCを続けてかまいません。ギリギリまで服用して大丈夫です。
OCは後腐れがありませんから、妊娠を考える数カ月前から止める必要はありません。また、OCを服用したことによって、その後の妊娠・出産・赤ちゃんへの影響もありません。
いつまで服用を続けていいの?
あなたが健康でOCを服用するにあたり問題ない場合は、
- 妊娠を希望するまで
- 全く妊娠の心配がなくなる(閉経を迎える)まで
服用が可能です。何年経過したから止めましょう、というものではありません。逆に、必ず○カ月は服用を続けなくてはならない、というものでもありません。
ただし、中断後にすぐに妊娠!という可能性もあるので、避妊の必要性のある方は中断しないでくださいね。
ほとんどの女性が服用可能です
OCはほとんどの女性が服用可能ですが、服用できない方もいます。
〜以下の方は服用禁忌です(主なもののみ記載)〜
35歳以上で、1日15本以上タバコを吸う人
(喫煙されている方が、OC服用を希望される場合は、まず禁煙してから、を推奨します)
前兆のある頭痛がある人
(脳卒中のリスクが2〜4倍になるとのことで、服用禁になっています。 前兆の判断がつかない場合は脳外科に受診していただき、判断を仰ぐ場合もあります)
高血圧・高脂血症の方
(内科でコントロールがされており、他のリスクがなければ要相談)
乳がん・子宮頚がん・子宮体がんに罹っている方
〜以下の方は慎重投与です(主なもののみ記載)〜
40歳以上の女性
(一般に心筋梗塞などの心血管系障害が発生しやすくなる年代であるため、これを助長するおそれがあります)
喫煙者
(35歳以上で1日15本以上の喫煙者は禁忌ですが、常習的に喫煙されている方は、心筋梗塞などの心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります)
BMI30以上
(血栓症などの心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります)
そのほか症状や状況によっては、服用できなかったり、注意して服用する必要がある方もいます。
エナ大通クリニックでは服用前にチェックリストを書いていただいています。
OCを希望したいです。どうしたらいい?
エナ大通クリニックでは『ピル外来』を設けています。どちらも完全予約制ですので、お電話で予約の上いらしてください。初診時では、《初診料+OC1シートで6,000円ほど》です。
もし、健康診断や献血などの血液検査の結果があればご持参ください。半年以内の採血結果がない場合は初診時または次回来院時に採血をさせていただいています。(OC服用により稀に肝臓に負担がかかることがあるため、まずは服用前の状態を知っておきたいからです)
そのほかのOC関連リンク
ももいろ相談室より
まだまだ日本では服用率が低いOCですが、今すぐの妊娠を希望していない女性には、 妊娠の不安や心配のない毎日を過ごすために、OCの服用をおすすめします。
妊娠希望前はOCを服用し、年に1回婦人科検診。結婚が決まる頃から、いつ妊娠してもよいように風疹抗体価のチェック。結婚式や新婚旅行もOCで大事な日に生理がかぶらないようにコントロール。そして、OC卒業1ヶ月前(予定している最後のシートの始まり頃)から葉酸のサプリメントを摂取する。
すぐに赤ちゃんが欲しい場合は…と、相談していくこともできるので、今はまだ妊娠を考えていない女性は是非OC服用を検討してみてください。ピル外来や婦人科検診までのワンクッションが必要な方は、是非ももいろ相談室をご利用くださいね。